2012年3月14日バックナンバー
H24.3月14日

 東日本大震災から一年経った今も被災地のがれき処理が遅々として進んでいない。岩手・宮城・福島の被災3県のがれきは約2200万トン。これまでに処理を終えたのはそのわずか6.4%という。
 去年4月、がれき受け入れに前向きだった自治体は42都道府県572市町村だった。それが、ふたを開けてみたら、東京・青森・山形と他少しの自治体のみである。総論賛成、各論反対。また、本音とたてまえが見え隠れする。
 自治体からは「日本全体でがれき受け入れを容認する仕組みを作って欲しい」とか「各地方の自主性に任せず、国が地域別の処理量を割り振るべき」という声が聞かれる。国主導の取り決めに期待する自治体の実態である。国の高笑いが聞こえるような気がする。
 国も関係閣僚会議を設置して、災害廃棄物処理特措法に基づき、各都道府県にがれき受け入れの協力を文書で要請する。また、受け入れを求めるがれきの種類や量を明示する事実上の「割り当て」を検討している。また、各自治体の要請があれば国が代行処理を行うことも検討するらしい。
 ここにもやはり、地方の国依存体質が根強く残っている。
 自治体同士で話し合い、決定して行くことは出来ないものか?  国が調整役 にならなければならないものなのか?  国としては「やっぱり最後は国の出番だ」「やはり地方同士では決められない」「地方には任せておけない」というような論理になってしまう。地方分権が中々進まない一端がここにある。
 これはあくまで僕の邪推であるが、「国になんとかして欲しい」という地方からの声は実は国が地方に「そういう要望を出せ」と誘導していることも有り得る。
 知事時代、地方分権に反対の地方は、(全部ではないが)国から「反対の立場を表明して欲しい」と依頼されたり半ば強制されたりしたことがあると聞いた。
 また、地方も国に依存していた方が何かと楽な部分があり、地方分権に消極的だったりする。
今回、この大震災を契機として、「国と地方」「中央政府と地方政府」の役割分担や指揮命令系統、主従関係から対等協力の関係にして行かなければならないと強く思っているのだが、先に述べたがれきの受け入れ一つとっても中々難しい現実が浮かび上がって来る。地方分権は「地方の自主自立」が肝となる。地方都市の衰退はどうして進んだのか?地方が国依存体質を脱皮できず、地方の「自主自立の精神」や「独自性の発揮」「責任と覚悟」等の喪失が実は地方衰退を加速させた原因であることも我々は知るべきである。がれきの受け 入れ問題がそれらを物語っている。中央集権構造とそれに慣れきった自治体や地域の依存体質は復興の障壁になる。


戻る