2012年2月8日バックナンバー
H24.2月8日

 今の日本は、財政再建と景気回復を同時にやらなければならない。これは難題である。二つが二律背反的であるからだ。文明が進歩すると人々の暮らしは高度化・複雑化・多様化し、それに関連する生活・行政課題も高度化・複雑化・多様化して行く。我々は極めて高度な社会で生活しているのである。
 この財政再建を今の政府は増税(消費税増税)で実現しようとしている。EUの例を見れば、財政健全化の早期の着手は必要不可欠であろう。世界の市場は日本の財政健全化の政策と成り行きを注視している。

 しかし、現在の日本は超円高・デフレ経済である。デフレ期の増税はやはり問題があると言わざるを得ない。特に、消費税は問題であると言える。財政健全化は、デフレから脱却し、名目GDPを成長させ、税収を上げるという政策も重要になってくる。
 消費税が何故問題か?というと、消費税はGDPの増減、つまり景気の変動に余り左右されない。だから、安定財源と言えるのだが、企業や家計が赤字になっても払わなくてはいけない税なのだ。

 例えば、法人税や所得税であるが、赤字になった企業は法人税を払わなくていいし、失業者等、赤字の家計は所得税を免除される。このように、法人税や所得税は苦しいときに負担から解放されるのだ。
 しかし、消費税は違う。赤黒に関係なく払わなければならない。所得の多寡に関する逆進性もあるが、こういう逆進性もあるのだ。
 つまり、消費税は赤字になった企業や失業者等、社会的弱者を直撃する税なのである。消費税が安定財源だということは、不景気下で民間の税の負担が重くなるということなのである。

 増税はデフレを深刻化させる効果がある。現時点の消費税増税はデフレ脱却や名目GDPの成長を阻止し、税収を減らし兼ねない。そうなると更なる財政悪化となる懸念も出てくるのだ。
 政府の気持ちも分からなくは無い。IMF等の提言通り、今、消費税増税を世界にアナウンスし、財政再建の意思を見せなければ、国債市場に影響する。
 しかし、それより、中央集権から地方分権に国家構造を変え、二重行政の解消や出先機関改革、公務員人件費削減、特会や独法の徹底的な見直し等の行財政改革を先に断交する姿勢を見せることも市場の信頼を得る重要な手立てでもある。ギリシャは財政破綻の危機を迎え、結果、徹底的な行財政改革を迫られた。賢明な国とは、行財政改革を先にやる国である。


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