2012年2月1日バックナンバー
H24.2月1日

 日本の貿易収支が31年振りに赤字に転じた。東日本大震災やタイの洪水などの特殊な事情が大きく影響したためで、一時的なものと言われている。しかし、赤字は赤字である。まぁ、黒字過ぎであっても諸外国(特にアメリカから)からはバッシングされるが・・・・・・・日本は、これまでの「貿易立国」「輸出立国」と言われて来たが、そのイメージは薄らいで来たと言える。

 ここで気になるのは、経常収支は黒字であるということ。つまり、貿易収支に所得収支等を加えた経常収支は黒字なのである。貿易より所得の方が上回っているのだ。この経常収支、2010年は17兆の黒字、2011年は10兆の黒字だったらしい。
 所得収支は、日本の金融機関や企業が海外から受ける利子や配当である。海外証券の購入、海外での子会社設立や企業買収などに伴う利子や配当所得である。この所得収支が貿易赤字より多いので、結局、経常収支が黒字なのである。

 これは、どういうことかと言うと、国内の支出が国内の貯蓄で賄われること。つまり、トータルで海外から借金をしなくて済むということを表す。ただ、少子高齢化・人口減を考えたとき、今後、所得収支の黒字が貿易赤字を上回り続けるか?  甚だ疑問である。高齢化で国内の貯蓄の取り消しが進めば、金融機関を通じた海外への投資も減る。
 日本は国債発行の9割超を国内資金で賄っている。その支えとなっているのが経常収支の黒字である。この経常収支が赤字になると、財政赤字と併せて「双子の赤字」になる。こうなると国家財政破綻というものが見えてくる。

 そうならないためにも今後、経常収支の黒字を維持しなければならない。そのためには、輸出産業の強化は勿論、エネルギー・環境・医療・介護・農業等を中心に、新たな成長産業に育成していく必要がある。そのためには、各分野での既得権益を廃し、規制緩和を進め、企業活動の環境を整備し、企業を元気に、海外からの投資を呼び込み、内需拡大を促す必要がある。企業が他社を買収する投資を後押しし、研究開発、人材育成等、日本経済の成長・拡大政策を推し進めて行く必要があるのだ。最近の政治行政には、コストカット(歳出削減)や増税のみが全面に出、国全体が稼ぐこと、デフレ円高対策、景気対策、経済成長等がどうも蔑ろにされているような気がしてならない。


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