2011年11月16日バックナンバー
H23.11月16日

 とうとう野田総理がTPPへの「関係各国との事前協議」に入りたい意思を正式に表明した。国内の反対派に配慮したいかにも役所的文章である。
オバマ大統領に「中国に付くのか?アメリカに付くのか?」と迫られての判断であろうことは想像に難くない。
 国内でも賛否両論、与野党党派を超えて推進派と慎重派に二分され、意見の集約は困難を極めている。
 このTPP、一言でいえば、「参加しても地獄、参加しなくても地獄」の感がある。参加することのメリットやデメリット、参加しないことのメリットやデメリットが今一つ判然としない。というか、政府は概ね情報は掴んでいるだろうが、正確な情報は開示されていない。「今後交渉がどう進んでいくか?分からない。そして現在の各国の交渉の詳細が把握出来ていない」のが正直なところだと思う。

 資源の乏しい日本は戦後一貫して貿易立国として生きてきたことは厳然たる事実であるし、今後も概ねその方向性は変わらないと思う。
 国内産業(主に製造業・モノづくり)が海外へ逃げ出し、産業の空洞化が起こると失業者、国内需要・景気は減退していく。兼業農家も実は労働力として地域産業(製造業や建設業等)へ依存している。国力を維持し成長していくためには、アジアの成長を取り込むことは不可欠である。
 日本の農業はTPPとは関係なく、このまま行けば高齢化や離農等で衰退の一途を辿る。日本農業を支えているのは、実は外国産の肥料や石油である。日本の農業を守り強化して行くために、さぁ、どうするか?

 国際社会の中で市場の開放や自由貿易、経済連携は大きな流れであることは間違いない。その世界の潮流の中でブロック経済が果たして成立するのだろうか? ブロック経済から世界大戦になった戦前の反省も含め自由貿易や経済連携、協定締結は不可欠であろう。問題はどれを(品目)どのように連携・貿易交渉するか?であろう。
 日本の交渉能力が問われているのだ。TPPは参加するしないではなく、「どう交渉するか?できるか?」が重要であると言える。が、残念ながら、過去こういう交渉事で日本が有利にことを進めた例を知らない。
 建築基準法・労働派遣・会社法改正・大店立地法・司法制度・第三分野の保険外資の参入・・・・・・・・多くの交渉において譲歩を余儀なくされた。

 首相が「交渉に参加する事前協議に入る」と表明した瞬間にアメリカ(カーク代表)は日本の通商政策について「牛肉・簡保・自動車」について早くも牽制・言及して来た。もう鍔迫り合いは始まっている。さぁ、政府・首相は今後どういう対策を講じ、どう出るのか? TPPに必ずしも、手放しで賛成では無いが、政府が方向性を決めた以上、その中で全体最適は図り、今後の動向を注視して行かなければならないと思う。



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